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星空が見られる長野のおすすめスポットとは?星空を見る際の注意点もまとめて解説

近ごろ、さまざまな理由からきれいな星空を見られる場所が限られてきました。しかし、そのような流れに反して、長野県では美しい星空を見ることが可能です。

本記事では、長野県で星空を見るのにおすすめのエリアや、星空観測を楽しむ際に押さえておきたい注意点について解説します。また、観測をより快適にするために持っておきたい便利なアイテムも紹介するので、これから星空観測を計画している方は、ぜひ参考にしてください。

長野で星空が綺麗に見られる理由

長野県は日本国内でも屈指の星空観測地として知られています。その理由は、以下のような自然環境と条件が整っているためです。

標高が高い山に囲まれている

長野で綺麗な星空が見られる理由として、標高の高い山に囲まれていることが挙げられます。長野県は3,000m級の山脈に囲まれており、平均標高が日本で最も高い地域です。

標高が高いと気圧が低くなり空気が薄くなるため、大気中の不純物が少なく、星空がクリアに見える環境が整います。これにより、視界が広がり、星々の輝きが際立ちます。

澄んだ空気が星をダイレクトに見せてくれる

空気が澄んでいることも、長野県で星空が美しく見える理由の1つです。大気汚染による大気中の窒素酸化物やPM2.5などの増加は、星の光を散乱させて、星空を暗く見せることがあります。

長野県では大気環境保全活動に力を入れており、その活動もあって空気が澄んでいるため、綺麗な星空がはっきりと観測できます。

強い光源が少ない

都市部のようなネオンや人工照明が少ないことも、星空観測に適した条件です。環境省の調査によると、東京23区では肉眼で10個程度の星しか見えないとされています。

長野県の多くの地域では過剰な光源がないため、星空の輝きが遮られることなく、観測できます。なかでも長野県阿智村では、約6,000個もの星が観察できるため、都市部では味わえない感動的な星空を堪能できるでしょう。

長野で星空が綺麗に見られるおすすめエリア

長野県は、星空観測に最適な環境の整ったエリアが点在しています。ここでは、特におすすめのエリアを紹介します。

南牧村

長野県の東端に位置する南牧村は、八ヶ岳の裾野に広がる野辺山高原があることで知られています。標高1,000~1,500mの高低差があり、空気が澄んでいるため、星空観測に最適です。

2013年にはテレビ番組で「日本で一番綺麗な星空ベスト3」に選ばれ、多くの観光客が訪れる星空の名所となりました。現在は地元の観光協会が連携し、星空観測の魅力を発信しています。

阿智村

「天空の楽園 日本一の星空ナイトツアー」など、星空を楽しむためのさまざまな企画が充実しており、星空ファンにとって一度は訪れたい場所です。

駒ケ岳

中央アルプスの主峰である駒ケ岳は、標高2,956mの高さを誇ります。標高2,611mまではロープウェイでアクセス可能なため、星空観測と一緒に登山も楽しみたい人へおすすめしたいエリアです。

標高が高いため空気中の塵も少なく、特に冬は空気の透明度が上がり、澄んだ星空を満喫できます。

原村

原村は標高約1,000mの高原地帯である八ヶ岳の麓にある村です。標高は高く、街明かりが少ないため夜は暗いなど、星空が綺麗に見える条件が揃っています。

八ヶ岳自然文化園近くの「まるやち湖」は星空撮影スポットとして人気があり、天体写真の愛好家が集います。また、日本一標高が高い野外映画館が開催されるなど、星空と一緒に楽しめるイベントも豊富です。

長野県最南端に位置する下條村は、美しい自然に囲まれた静かな村です。ここでは、星空観測や観光を楽しむのにぴったりなスポットをご紹介します。

glampark 月下美人【長野県】

アウトドア初心者でも気軽に楽しめるグランピング施設です。快適な設備とともに、豊かな自然の中で非日常的なキャンプ体験を満喫できます。

しらさぎ荘

湖畔にたたずむ宿泊施設で、自然豊かなロケーションが魅力です。地元食材をふんだんに使った料理が評判で、宿泊客に人気があります。

CAMPCHEERS KANESHIGE (キャンプ&チアーズ カネシゲ)

クラフトビールやハードサイダー(シードル)の醸造所が運営するキャンプ場です。南信州の大自然の中で、美味しいビールを片手に星空を眺める贅沢な時間が楽しめます。

新井展望公園

標高816mに位置する展望公園で、下條村の大パノラマが一望できます。公園内にはベンチや東屋、トイレが整備されており、家族連れにも便利です。

極楽峠パノラマパーク

バイクで上がれる標高994mの展望台広場からは、南アルプスと中央アルプスの壮大な山並みが望めます。空と南信州の広大な風景を背景にバイク写真が撮れる、人気の絶景スポットです。

その他の魅力的なスポットは、下條村ポータルサイト『しもじょうWEBポータル』で紹介しているのでぜひチェックしてみてください。

長野の星空でチェックしておきたい星

長野県の澄んだ空気と適度な標高条件は、星空観測に最適な環境です。ここでは、特に目を引く星々について解説します。

天の川

七夕伝説で知られる織姫と彦星が年に一度出会う場所として、天の川は古くからロマンチックな象徴とされています。しかし、都心部では光源が強すぎるため、肉眼で観測するのが難しいのが現状です。

一方で、長野に行けば天の川の見えやすい条件が揃っています。夜空に広がる銀河の帯のような姿は、初めて見る人々に深い感動を与えることでしょう。

夏の大三角

さらに、この大三角形を基準に蠍座やその他の夏の星座を見つけられるため、星座探しの良い目印となります。

冬の大三角

冬には、夏の大三角と対になる「冬の大三角」を観測するチャンスがあります。こちらはシリウス(おおいぬ座)、プロキオン(こいぬ座)、ベテルギウス(オリオン座)という3つの1等星で構成されています。

この大三角形は冬の星座を探すための目安として役立つでしょう。特に、一角獣座のような暗い星座は、長野のような暗い環境であればその存在感をしっかりと感じ取れるはずです。

長野で星空を見るときの注意点

星空観測を快適に楽しむためには、いくつかの注意点を押さえておくことが大切です。特に寒暖差や服装の工夫は、観測体験の質を大きく左右します。

寒暖差

長野の星空観測スポットは標高の高い場所が多く、季節を問わず冷え込みも厳しいのが特徴です。標高が1,000メートル以上の場所では、昼と夜の気温差が10℃以上になることも少なくありません。

特に夏場は油断して軽装で訪れると、想定外の寒さで体調を崩してしまう可能性があるため注意が必要です。

服装

星空を観測する際の服装は、動きやすさと体温調整のしやすさを兼ね備えたものが理想的です。また、夏場であっても、長袖・長ズボンを着用することで虫刺されや夜露から肌を守れます。

冬の観測では、しっかりとした防寒対策が必要です。厚手のアウターや保温効果の高い手袋、帽子を用意し、足元も防寒性の高い靴下やブーツを選びましょう。また、使い捨てカイロなども防寒対策として有効です。

長野で星空を見るときのおすすめアイテム

美しい星空を存分に楽しむためには、観測に適したアイテムを揃えることも重要です。ここでは、初心者から経験者まで役立つおすすめのアイテムを紹介します。

星座早見盤

星座早見盤は、どの方角にどの星座があるかを教えてくれる便利なツールです。特に星空観測の経験が浅い方にとっては必須アイテムと言えるでしょう。

使い方は簡単で、現在の時刻と方位を合わせるだけで、星座の位置が一目で分かります。最近では、スマートフォンにダウンロード可能なアプリも登場しており、荷物を減らしたい方には最適です。

双眼鏡

裸眼では見えない暗い星や淡い星雲も、双眼鏡を使えば鮮明に観測できます。望遠鏡と比べて操作が簡単で、持ち運びやすいのも魅力です。天体観測専用の双眼鏡を購入すれば、よりクリアな視界を楽しめるでしょう。

また、星座や星雲だけでなく、山の稜線や周囲の風景も観察できるため、星空観測の幅が広がります。

方位磁針

初めて訪れる観測スポットでは、正確な方角を把握するための方位磁針が役立ちます。肉眼だけで東西南北を判断するのは難しいため、持ち運びしやすい小型の方位磁針を準備しておきましょう。文字が見やすく、操作が簡単なものを選ぶのがポイントです。

長野で星空を撮影する際のポイント

長野の美しい星空を記録に残すためには、適切な撮影機材と設定が必要です。ここでは、カメラとスマートフォンを使用した星空を撮影するポイントについて解説します。

カメラの場合

星空撮影では、広範囲の星空を収められる広角レンズが活躍します。画角が広いため、星空全体をダイナミックに撮影できます。また、ブレを防ぐために三脚は必須のアイテムです。脚が太く安定感のある三脚を選ぶと、長時間露光でも揺れが少なく、クリアな写真が撮りやすくなります。

さらに、撮影設定も重要です。星空撮影では絞り値(F値)を低く設定して光を多く取り込み、明るい写真が撮れるように心がけましょう。また、ISO感度を高めに設定して、夜空でも十分な明るさを確保します。ただし、ISO感度を上げすぎるとノイズが増えるため、カメラの性能に応じた最適値を探すことが大切です。

スマートフォンの場合

近年のスマートフォンはカメラ性能が向上しており、星空撮影も簡単に楽しめます。一部の機種には夜間撮影専用モードが搭載されており、星空撮影に特化した設定が自動で行われます。このモードを活用すれば初心者でも手軽に撮影が可能です。

また、スマートフォンを固定する三脚や、三脚に取り付けるスマートフォンホルダーを用意することで、手ブレを防ぎ安定した撮影ができます。夜間撮影専用モードがない場合は、星空の撮影に特化したアプリもリリースされているため、必要に応じて利用するとよいでしょう。

長野で星空を撮影する際の注意点

星空撮影を楽しむ際には、周囲への配慮や安全確保が重要です。特に、撮影マナーや野生動物に注意して撮影を楽しみましょう。

撮影マナー

星空観測スポットでは、多くの人が静かに星空を楽しんでいます。そのため、不要なライトは灯さないよう心がけましょう。ライトの使用は、暗闇に目を慣らしている他の観測者に迷惑をかける可能性があります。ただし、安全の確保が必要な場面では例外です。たとえば、足元を照らす際には、赤色のライトを使用すると、他の人の観測を妨げにくくなります。

また、撮影中に大声で話したり、スペースを広く占有したりする行動も控えましょう。公共の場では、周囲の人への配慮が大切です。

野生動物

長野の星空観測スポットは、山中にある場合が多く、野生動物との遭遇リスクがあります。特に熊などの大型動物は、人間にとって危険な存在です。最悪の場合、事故や死亡事故につながる可能性があるため、対策を怠らないようにしましょう。

おすすめの対策は、ラジオや音楽を流す方法です。人の存在を知らせることで、野生動物が近づくのを防ぐ効果が見込めます。また、明るい服装やヘッドランプの使用も、自身の位置をアピールする手段として有効です。

まとめ

長野県は、標高が高く空気も澄んでおり、光源が多すぎないという星空観測に理想的な環境が揃った場所です。この記事では、長野で星空が美しく見える理由を解説し、さらに南牧村や阿智村、駒ケ岳、原村といったおすすめスポットをご紹介しました。また、下條村の魅力的な施設も取り上げ、長野ならではの星空観測の楽しみ方をお伝えしました。

長野県で星空を楽しむ際には、この記事でご紹介した情報をぜひ参考にしてみてください。素晴らしい星空との出会いが、旅の思い出をより一層輝かせてくれることでしょう。