長野県に移住するメリットとは?おすすめの移住先や補助金制度を解説

目次
自然が豊かで観光地が多く、首都圏へのアクセスがよい長野県は、移住先としても多くの人から注目されています。本記事では、長野県に移住するメリットやおすすめの移住先について詳しく解説。さらに移住時に利用できる支援制度もあわせて紹介します。
長野県の特徴
長野県は全国的にも自然豊かな地域であり、森林は県土のおよそ80%を占めています。夏には避暑地としても人気が高く、涼しい気候のなかで過ごせるため、多くの人が観光や保養に訪れます。
さらに、北は新潟県から南は静岡県まで、合計8つの県と境を接しており、日本で最も多くの県と隣接している点も見逃せません。首都圏からのアクセスも比較的良好で、四季折々の自然を満喫できる魅力的な土地と言えるでしょう。
長野県の基本情報
長野県は日本のほぼ中央に位置し、広い面積と多様な気候・風土が特徴です。ここでは、人口や地理的特徴など、移住を検討するうえで欠かせない基本情報を見ていきましょう。
長野県の人口

長野県の人口は、令和6年10月1日現在の推計人口は約198万9,104人で、世帯数は85万5,881世帯にのぼります。首都圏ほどの密集度はないものの、エリアごとに独自の文化と特色があるのが特徴です。
長野県の位置と大きさ

長野県は日本のほぼ中央に位置し、面積は約13,561.56平方キロメートルあります。また、東西約120キロメートル、南北約212キロメートルと広大で、全国で4番目の面積を誇ります。豊かな自然環境が残されていることから、農業など多彩なライフスタイルが実現可能です。
地形、気象の特徴

浅間山や八ヶ岳、日本アルプスなどの連峰に囲まれているため、標高の高いエリアが多いのが特徴です。県全体が内陸にあることから、寒暖差が大きく、盆地においては特に夏の暑さや冬の冷え込みが顕著です。地域によっては積雪や凍結なども起こるため、暮らす場所を選ぶ際は地形や気候の違いをしっかり把握することが重要になります。
長野県の観光スポット
長野県は自然や歴史の豊富な観光地が多く、国内外から人気を集めています。ここでは、代表的な名所を3つ紹介します。
善光寺

善光寺は長野県を代表する観光地の1つで、国宝に指定されている本堂をはじめとした貴重な建築物が数多く残されています。開山から約1400年もの歴史を誇り、古くから庶民信仰の拠点として親しまれてきました。参拝後は門前町で名産品や郷土料理が楽しめ、多くの人で賑わう活気あふれるスポットです。
軽井沢

軽井沢は国内有数の避暑地・別荘地として知られており、夏には涼しい気候を求めて多くの人々が訪れます。江戸時代には中山道の宿場町として栄え、当時の趣を感じさせる街並みや名所が現在も点在しています。白糸の滝などの景勝地をはじめ、美しい自然と歴史が調和した風景を満喫できるのが魅力です。
木曽路

日本遺産に認定されている木曽路は、中山道の歴史を肌で感じられる独特の風情を楽しめます。妻籠宿や馬籠宿など、江戸時代の宿場町として栄えた地域が残されており、昔ながらの街並みを歩けば、当時の旅人気分を味わうことができるでしょう。豊かな山々に囲まれた景観と伝統的な建造物が美しく調和し、今も多くの観光客を惹きつけています。
長野県に移住するメリット

ここでは、長野県へ移住する代表的なメリットを3つご紹介します。
住宅費用が抑えられる
家賃や土地の価格が都内に比べて低いのは大きな魅力です。たとえば長野県で最も高いエリアである松本駅周辺は坪単価が約73万円なのに対し、東京都の明治神宮前駅では約9,300万円と明確に差があります。費用を抑えながら広い住まいを確保したい方には大きなメリットでしょう。
レジャー施設や観光スポットが充実している
長野県には温泉やスキー場などのレジャースポットが多く、四季を通じてアウトドアを満喫できます。夏はキャンプや登山、冬はスキーが人気で、地域ごとに特色ある温泉も豊富です。自然を身近に感じながら過ごせるのは長野県移住ならではの魅力でしょう。
都心へのアクセスが良好
北陸新幹線や特急あずさなど、新幹線や特急列車が充実しており、首都圏への移動に便利なのも長野県の強みです。二拠点生活を考えている人や、仕事の都合で定期的に東京へ向かう人にとっては大きなメリットとなります。
長野県に移住するデメリット

長野県には多くの魅力がありますが、実際に移住するとなると、事前に押さえておきたい注意点も存在します。ここでは、主なデメリットを3つ紹介します。
冬は、最低気温が氷点下になることもある
冬季には最低気温が0度を下回る日も珍しくありません。特に県北部の山間地域では積雪量が多く、暖房費などの光熱費がかさむ可能性があります。気象条件を踏まえた生活環境の整備や車の冬用タイヤ交換など、寒さ対策をしっかり行う必要があるでしょう。
移動手段として車が必須
鉄道網が限られている地域も多く、駅から遠い場所に住む場合は車の利用が欠かせません。ガソリン代や駐車場代などの維持費が掛かるほか、冬季の雪道運転やスタッドレスタイヤへの交換なども考慮する必要があります。
人付き合いが負担になる場合がある
都市部と比べて地域交流が盛んなため、近所づきあいや町内会、消防団への参加が求められるケースがあります。地元行事への積極的な参加が歓迎される一方で、外から移住してきた人にとっては慣れるまで少し時間が掛かるかもしれません。人との関係づくりへ積極的に取り組める方には魅力的ですが、そうでない場合は負担になることもあります。
長野県に移住する際の注意点
ここでは、長野県への移住を失敗しないために押さえておきたい注意点を解説します。
収入が減ったり、固定費が掛かる場合がある
都会と地方とでは給与水準や生活コストが大きく異なる場合があり、移住先では年収が下がる可能性もあります。さらに、車を所有する場合は車両維持費や自動車税などがかさむだけでなく、プロパンガスを利用する地域では光熱費が割高になることも考えられます。こうした固定費の増減を見込んだうえで、収支バランスを事前にシミュレーションしておくことが大切です。
家族に相談してから決める
移住は暮らしの基盤を大きく変える決断です。家族に相談せずに独断で決めてしまうと、生活リズムや価値観の違いからトラブルに発展するケースもあります。「なぜ移住をするのか」「どのような暮らしを目指すのか」といった目的を家族全員で共有し、納得したうえで進めると安心です。
移住を成功させる方法

移住の成功は、事前の下見や情報収集によって大きく左右されます。実際の暮らしをリアルにイメージできるよう、さまざまなアクションを起こしていくことが重要です。
お試し移住で魅力や文化の違いを確認する
いきなり本格的に移り住むのではなく、まずは「お試し移住」を利用して数日から数週間ほど暮らしてみるのがおすすめです。実際にその地域で過ごすことで、土地柄や気候、人間関係などを肌で感じることができます。下條村などでは、お試し移住の制度を導入しているため、移住前に生活環境を具体的にイメージできるでしょう。
移住先の情報を集める
公式サイトや移住イベント、地域のSNSなど、情報を集める手段はたくさんあります。特に実際に住んでいる人の声は非常に参考になるので、オンライン・オフライン問わず積極的に情報を得ましょう。知りたい内容を明確にしておくと、効率よく収集が進みます。
長野県の移住におすすめの時期
長野県は夏と冬の気温差が大きく、景色や生活スタイルも季節によって大きく変わります。夏は涼しく、避暑地として過ごしやすい反面、冬になると積雪や気温の低下が厳しくなる地域も存在します。
移住するタイミングによって印象が異なり、特に寒さに慣れていない方は、雪が少ない時期や比較的過ごしやすい秋口に移住するとスムーズに新生活をスタートできるでしょう。
長野県の移住に使える制度

地方移住を支援するため、国や県、自治体ではさまざまな補助金や助成金制度を設けています。ここでは、代表的な制度を一つ取り上げます。
UIJターン就業・創業移住支援金
長野県では、UIJターン(都市部から地方へ移住して就業・創業すること)を後押しするための支援金制度があります。単身世帯の場合は最大60万円、2人以上の世帯なら最大100万円の支給を受けられる可能性があります。
対象となる要件や手続きの詳細を確認して、自分が活用できる制度かどうかをしっかりチェックしましょう。
長野県でおすすめの移住先
同じ長野県内でも、エリアごとに気候や文化、利便性が大きく異なります。ここでは、移住先として人気の3つの地域をご紹介します。
下條村

下條村は長野県の最南端である下伊那郡のほぼ中央に位置し、冬の寒さは厳しいものの、積雪量が20センチを超えることはあまりありません。また、飯田市まで車で約20分とアクセスがよく、ほどよい田舎暮らしを実現しやすいのが特徴です。
図書館をはじめとする教育施設や子育て支援が充実しているほか、お試し移住の制度も用意されています。下條村のポータルサイト「しもじょうWEBポータル」では、地元の最新情報が得られます。
安曇野市

安曇野市は、北アルプスの山々を望む自然豊かな環境と、医療施設や大型商業施設などの都市機能がバランスよくそろった地域です。登山やハイキングなど、アウトドアアクティビティを楽しめるほか、スーパーマーケットや公共施設も点在しており、日常生活を快適に過ごせます。
自然と利便性の両方を大切にしたい方に向いているでしょう。
佐久市

佐久市は新幹線の停車駅があり、首都圏へのアクセスが非常に良好です。近隣には軽井沢があり、穏やかな高原の暮らしを味わえます。大規模商業施設や医療機関が充実しているため、都市部と田舎の両方のメリットを享受したい方にもおすすめです。
長野県への移住は下條村がおすすめ
長野県内には多くの魅力的な地域がありますが、特に下條村は支援制度や移住後のサポートが充実している点で高く評価されています。たとえば、飯田市や下伊那郡外、さらに県外から移住してきた65歳未満の方には「下條村移住奨励支度金」として20万円を補助する制度があります。
30歳未満で下條村に生活拠点を置き、新規に就職した方には「若者新規就職応援補助金」として一律10万円が支給される仕組みも導入。結婚生活のスタートをサポートする「結婚新生活支援事業補助金」では、住居費・引越費用・住宅リフォーム費用をあわせて最大60万円補助してもらえます。
さらに、定住促進住宅用地取得等補助金として、下條村で住宅を新増築する方に最大100万円を補助する制度も用意。子育て支援では、第2子の出生時に8万円、第3子以降の出生時には1子につき50万円の出産祝金が支給されるほか、3歳まで月額5,000円分の商品券を支給する取り組みも行われています。入学時の支援や給食費の補助も手厚く、若い世代だけでなく、将来的に子育てを見据える世帯にも嬉しいポイントがたくさんあります。
まとめ
長野県は豊かな自然と多彩なレジャー環境、都心へもアクセスしやすい立地から、移住先として根強い人気があります。一方、厳しい寒さや車の維持費など、都会とは違った生活コストや地域特有の習慣にも注意が必要です。
とはいえ、丁寧な情報収集やお試し移住、家族との事前相談などをしっかり行うことで、長野県での暮らしにスムーズに馴染みやすくなります。特に支援制度が充実した下條村は、移住希望者にとって理想的な環境とサポートを両立しているのが魅力です。自然豊かな地で新生活を始めたいと考えている方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。